認定こども園設計、幼稚園設計、
保育園設計などの園舎設計
2019年10⽉31⽇。沖縄のシンボルである⾸⾥城正殿は⽕災により焼失。⾸⾥城への想いを形に残したいと、焼け残った破損⽡を活⽤するアイディアを沖縄県などが募集しました。
その破損⽡を保育園に届け、⼦どもたちが作品を作る様⼦を写真や動画で記録、SNS等で発信して「たんぽぽの種」のように全国に広めようというプロジェクトを⽴ち上げました。
幼き⽇のこの経験が⼦どもたちの⼼に記憶の種として残り、郷⼟への愛着・アイデンティティを育んでほしい。⾸⾥城の⼀⽇も早い再建に繋がればとの願いも込めて。
私たちは子供たちを取り巻く状況、次世代へのより良い環境設定を常日頃、多角的に携わり考える園舎専門の設計集団です。沖縄の出身である一人の社員が発信者となり、彼の郷土愛と子どもたちを想う心、そこに我々企業全体が大いに賛同し立ち上がったプロジェクトです。
本プロジェクトは企業としての研究的側面をあわせ持つ活動であり、プロジェクトを通じ子どもの領分、子どもの社会を今一度見直し、子どもを取り巻く大人社会の在り方、またその重要性を学び、 園舎設計の現場でそれらを活かし子供たちに還元するという趣旨のもと行動しました。また沖縄の人々の郷土愛、自然を愛する心、重要性を、首里城という具体的対象を通じ、学び、全国の子どもたちに伝えたい。
ボランタリーな発意で始まり、子どもたちの抱える問題(メディア世界への埋没、集団作りの難しさ、生活の多忙化など)状況を概観し考察、活動を通じて学ぶことで、 子どもたちのより良い空間づくりを深度を持ち実践することを目的としています。
今日、子どもの生活圏がかつてなく縮小し、子どもの生活が家庭、学校へと局限化され、
地域が子どもの生活する場ではなくなってきている事を私たちは危惧しています。
また反するように、バーチャルと現実の境界線が薄れるなか、その広がりは止まることを知りません。
メディア世界へ埋没するのではなく、社会とそこでの文化の所産である様々のツールを自ら選択し、使いこなし、外界に適応することで成長を獲得していく。そんな強い子どもを私たち大人は、社会は、育てていく責任があるのではないでしょうか。子どもたちに届いた「記憶の種」は心にそっと寄り添い、沖縄の人々の心、誇れる文化を語りかけてくれる。やがてはその種を契機とし、自らのアイデンティティを知り、その自信と誇りを胸に、明るい未来を切り開き、繋げて欲しい。
本プロジェクトを通じ、先行世代の積極的な協同を子ども達に届けることも私たちは重要であると考えています。「瓦」という、バーチャルではない本当の「もの」を直接手にしてもらうことは、本プロジェクトにおいてとても大切な事でした。
「破損瓦」という「もの」との出会いを切っ掛けに、ノンバーバル・コミュニケーションの重要性も唱えていきたいと考えます。
2019年10⽉31⽇。 沖縄のシンボルである ⾸⾥城正殿が⽕災 により焼失。
首里城への「想い」を多くの人が共有し、形として残していくことを目的として
「首里城破損瓦等の利活用アイデア」を沖縄県が募集。
県からプロジェクトが認定され、破損瓦を受け取る。
園舎設計を専門に携わることで出来た繋がりのもと、
保育園や幼稚園の子供たちへ破損⽡を届ける。
・沖縄県 37園舎 657ピース
・東京 2園舎 100ピース
破損瓦が直接⼦どもたちの手に触れる機会をつくる。
先生方が子ども達に説明、制作の導入に使用する紙芝居を作成。
(子どもたちが何を感じ、どうリアクションするかはそれぞれに託しました)
各園の反応や声を記録、考察。
(社会が子どもたちとどう向き合うべきか)
活動を当社のホームページやSNS などのメディアに載せ、
誰もがいつでも見ることのできるアーカイブを設ける。
(紙芝居もダウンロード可能に)
ご自由にダウンロードしていただけます。
園やご家庭でご活用ください。
※文章と絵、それぞれ印刷し貼り合わせてください。
詳しくは紙芝居データの中に説明があります。
なぜ「瓦」なのか
なぜ「たんぽぽ」なのか
スイグスク(首里城)を思う時、頭に浮かぶのは「青く澄んだ空」とそこに映える「弁柄色の瓦」。
その昔、首里城は灰色の瓦葺き屋根でした。その後⽕事で首里城が焼け、1715年の再建の際には赤い瓦が葺かれることになります。当時、灰色の瓦は高温で焼く為多くの薪を必要としました。
その頃の琉球では人口が増加し、人々の生活に欠かせない⽕の燃料として多くの薪を確保する必要があり、そこで山林を守るためにも、比較的低温で焼くことのできる「赤い瓦」を葺くことを決めたのです。
弁柄色は古代日本で「魔除け」「再生」の色として考えられており、また赤色の語源には「明るい」「明ける」といったものがあります。「弁柄色」の赤い瓦は、言わば、琉球の人々の自然を大切にする心、再生への想いを何よりも雄弁に語ってくれる、そんな貴重な存在と考えました。
そしてそのかけらを、たんぽぽの綿毛が風に乗って、どこまでも広がるように、子どもたちの息が届くことによって、手から手へ渡り、それぞれの場所へ根を下ろし、「想いの花」を咲かせて欲しい。そんな願いから「たんぽぽ」という言葉を「瓦」に添えてプロジェクト名としました。